日帰り手術!FUS(MRIガイド下集束超音波治療)
FUS(MRIガイド下集束超音波治療)とは、MRIで病巣を撮影しながら、超音波のエネルギーを集中させて、患部の腫瘍等を焼却する治療のことです。子供の頃に理科の授業でやったことがあると思うのですが、虫眼鏡で太陽の光をあてて紙を燃やしたことありませんか?あんな感じで、1本1本だと微弱な超音波を束にして1点集中させて患部に照射することで、熱を加えて壊死させる治療です。
この治療は子宮筋腫に限らず、開頭の必要な外科手術が伴う治療に効果を発揮させているものを、子宮筋腫の治療でも応用したものです。痛み、副作用がなく日帰り治療が可能という画期的な治療法です。そして、術後の改善率は80%とめちゃ高い。ただし、MRIの画像で筋腫のできている場所、大きさ、個数、筋腫のタイプ(血流が多い・少ない)などをみて判断します。FUS治療を希望しても、条件が合わないと受けられないこともあります。
治療の流れ
上でも書きましたが、誰でも受けられるわけではございません。FUSが適応するかどうか確認が必須です。婦人科の検診でMRI検査を受けて、子宮筋腫の正確な位置や大きさを確認します。
ちなみに、治療できない人はこんな人。
・下腹部に傷がある人(手術痕)
・背中側の筋腫の治療には不向き(うつ伏せで腸管などが前方にあり超音波が通過しない模様)
・筋腫核が4個以上ある
・直径10cm以上の筋腫(できないわけじゃなくて治療時間が長すぎるので原則NG)
・3cm以下の小さな筋腫
私の以前の状況から判断すると、全部該当するので、受けられませんね。。。残念。
適応可能だと判断したら、治療範囲を決めて、いざ治療。
日帰り治療が可能と言われていますが、1泊2日ぐらいの入院を勧めている模様です。
治療するにあたっては、治療前4時間前から絶食。腹部の剃毛後に尿道にカテーテル、点滴もやりながら、治療中は水分を取りながら、うつ伏せの姿勢で、大きさや数によって異なるようですが、2-3時間照射したのち、入院する人は、経過観察で翌日退院。日帰り希望であれば、30分から1時間安静にしてから帰宅することが多いようです。
手術のメリット・デメリット
腫瘍とかにも使われているもの放射線の被曝とは違うため、繰り返し治療が受けられること。治療部位までは皮膚や組織を傷つけずに到達することができます。また、MRI画像を撮影しながら治療を行うため、ピンポイントで正確に照射することができることも利点としてあげられています。
ただし、この機材が日本に少ない!しかも令和元年になってやっと保険適用になりましたが、それでもなかなかに高額です。
メリット
・体への負担が少ない(ほとんど痛みがない)
・術後の回復が早い(治療の翌日から普通の生活が可能)
・貧血があったり、ホルモン治療中でも受けることができる
・繰り返し治療が可能
デメリット
・高額!
・治療に時間がかかる
・外科手術やUAEに比べると効果がやや弱い
・組織検査ができないので、悪性じゃないかどうか確認が取れない
・この機械を持っている病院が少ない
現在保有していると日本の病院
※2019年6月現在
※治療を受けられるかどうかは、病院に確認ください。あくまで保有しているという情報です。
治療費
2016年12月の薬事承認以来、全額自己負担、自由診療でしたが、令和元年になってやっと保険適用。3割負担なので・・・治療費用が約40万円~50万円かかり、他の治療法と比べると2~3倍費用が多くかかります。