子宮動脈寒栓手術、UAEについて
ここまで開腹手術と腹腔鏡手術を紹介してきましたが、切らなくていい方法もあるんです。
それが、子宮動脈寒栓手術(UAE)です。
(以下、もらったパンフレットより引用です)
子宮動脈寒栓手術(UAE)
子宮筋腫に栄養を与えている子宮動脈の血流を止めることによって
筋腫を縮小させ、筋腫による症状を改善する治療法だそうです。
UAEをほどkすと、筋腫は徐々に縮小し、通常の大きさぐらいまで戻り
月経過多や圧迫感などの症状が8割の患者さんで改善するという報告があるそうです。
ちなみに、1995年にフランスで始まり、現在では欧米を中心に世界各国で行われているそうです。日本では2014年にエンボスフィアが発売されたことで、一定の条件を満たす施設でのみ保険診療が受けられるそうです。
この治療法のメリット・デメリット
メリット
- 局所麻酔なので体への負担が少ない
- 数ミリ程度の傷で済む
- 入院期間が短く、早期の社会復帰が可能
- 子宮を残すことができる(全摘出を診断された場合)
- 筋腫の個数、大きさによらず一度に治療できる
デメリット
- 将来妊娠を希望する人は適応外(詳細は後述してます)
- 副作用や合併症が他の手術より高い
- 10〜20%の割合で効果が低い場合や再発の可能性がある
- 再治療が必要なことがある
- 組織検査を行えないので悪性腫瘍を完全に否定できない
治療までの流れ
まず受診!
症状を確認、治療の対象と合致しているか、問題がないかを確認します。
その治療の対象とは・・・
- 子宮筋腫の患者で手術を希望しない・あるいは外科手術のリスクが高い人
- 閉経前である
- 妊娠してない。もしくは将来妊娠を希望しない
- 外科的手術の合併症のリスクが高い人
理由は、UAE術後に妊娠するという確実性がなく、むしろ流産や帝王切開分娩、分娩後の出血リスクが高まるため、妊娠希望者にはあまりオススメしていないそうです。妊娠・出産希望がある人は、これは進めません。手術しなくて楽なのですけどねー。
逆に対象とならない場合は・・・
- 骨盤領域あるいは子宮に悪性腫瘍の可能性がある
- 骨盤領域に感染症のある
- 妊婦、妊娠の可能性がある・今後妊娠を希望する人(理由は上記にも書いてますね)
- 造影剤によるアレルギーがある
- 閉経後である
- 単一の子宮口腔内粘膜下筋腫の人
対象に合致しているか確認した後は診察ですね。
婦人科の一般的な診察と画像診断によりUAEの実施可否が診断されます。
診察&検査結果をみながら産婦人科医と放射線医が相談して方針を決定していきます。
それから、先進医療になるそうなので、生命保険など保険適用されるか確認してくださいね。治療としての保険は以前は適用されなかったようですが、今は保険診療可になっているそうです。(2019年11月現在)